補足:
『&fml4;と &fml8; のコードの書き方はどのくらい違うか?』
コマンドの典型である『ファイルを送り返す』だけの
help コマンドを例にとり、
相違点を説明しましょう。
&fml4; では、適当な関数、たとえば myProcHelpFileSendBack を作り、
%LocalProcedure に書いておきます。
%LocalProcedure = (
'help', 'myProcHelpFileSendBack',
);
myProcHelpFileSendBack をあえて書き下すと、つぎのようなものでしょう。
sub myProcHelpFileSendBack
{
local($proc, *Fld, *e, *misc) = @_;
my $UJA_FILE = "/some/where/help";
&SendFile($Envelope{'Addr2Reply:'}, "UJA $ML_FN", $UJA_FILE);
}
一方、&fml8; では help ファイルを送り返すコードの実体は
FML::Command::User::help にあり、
FML::Process::Command クラスから
(FML::Command の AUTOLOAD を経由して)呼び出されます。
全てのコマンドは「FML::Command::User::コマンド」クラスもしくは
「FML::Command::Admin::コマンド」クラスとして実装されています。なお
makefml は「FML::Command::Admin::コマンド」を使います。
コマンドメールや CGI は User や Admin を権限に応じて適宜使い分けます。
help コマンドの実体は FML::Command::User::help の process() 関数です。
sub process
{
my ($self, $curproc, $optargs) = @_;
my $config = $curproc->config();
my $charset = $config->{ report_mail_charset_ja };
my $help_file = $config->{ help_file };
# template substitution: kanji code, $varname expansion et. al.
my $params = {
src => $help_file,
charset_out => $charset,
};
my $help_template = $curproc->reply_message_prepare_template( $params );
if (-f $help_template) {
$curproc->reply_message( {
type => "text/plain; charset=$charset",
path => $help_template,
filename => "help",
disposition => "help",
});
}
else {
croak("no help file ($help_template)\n");
}
}
ここで $curproc はハッシュリファレンスで、&fml4; の %Envelope におおむ
ね相当します。名前の通り、Unix カーネルでおなじみの current process 構
造体へのポインタのようなもので、プロセスに関連するいろいろなデータ構造
やオブジェクトへのリファレンスを含んでいます。
&fml4; の変数は、すべてグローバル変数です。一方 &fml8; では $config オ
ブジェクトを通じてアクセスできる設定変数空間の中にあります。常に
$config オブジェクトを通じて読み書きをしてください。
reply_message_prepare_template() メソッドは送り返すメッセージのテンプ
レート中にある変数の展開や文字コード変換を行ない、生成されたテンプレー
トへのファイルパスを返します(テンプレートファイルは $tmp_dir ディレク
トリに作られます)。
首尾良くテンプレートファイルを用意できたら、
$curproc->reply_message() というプロセス全体のメッセージ処理を行なう関
数群のトップレベルメソッドを呼び出し、メッセージの返送処理を依頼します。
$curproc->reply_message() は引数によって振舞いがことなりますが、
いずれにせよ、メッセージをメッセージキューに入れるメソッドです。
コマンドモジュールでの処理は、キューに入れたところで終りとなります。
以下の返送処理は、どんな時でも行なわれる通常のフローの一部です。
メッセージキューに入れられたメッセージ群は、プロセスの終了直前に受信者
ごとにメッセージがまとめられ一通のメールとして組み立てなおされます。
メッセージキューの種類がファイルとメッセージが混在している場合は適宜
MIME マルチパートのメッセージが生成されます。
メッセージの準備が整うと、送信処理を担当するメソッドが呼ばれます。
Mail::Delivery クラスが送信処理を担当するモジュールです。
生成されたメールは、
最終的に Mail::Delivery クラスへ渡され送信処理が行なわれます。
この返送の大筋は &fml4; の Notify() と同様ですが、あらゆるメッセージが
一度キューに入れられ、最後に一気に処理されるという点で大きく異なります。
なお get コマンドなども同じキューイングの仕組みを使っています。つまり
&fml4; の Notify() 相当部分が(通常の記事配送以外の)あらゆる送信機能を
担当し、かつキューイングのみをします。そしてキューイングされたメッセー
ジは最後に一気に処理されます。この点において、送信のキューイングのメカ
ニズムが &fml4; と大きく異なっているわけです。